取り木〜盆栽の増やし方〜

このきは一の枝がもう少ししたから出てたらもっとカッコいいのに。

この木の葉性結構いい感じだから同じような木をもう1鉢あったらいいな。

そんな風に思ったら取り木に挑戦してみる価値アリです。

ただ失敗してしまうと、親木も取り木を欠けた方も枯れてしまうリスクはありますのでそこはご自身の判断でお願いします。

このままだと、いい盆栽にならないしな〜。。。

盆栽始めると必ず取り木やってみたいなと思うはず?

少ないですがこれまでの経験をもとに取り木の紹介をします。

取り木とは

取り木とは盆栽を増やす方法の一つです。取り木の他に、実生、挿し木などがあります。

実生は種から育てるので時間がかかりますが、自分の好きな樹形にしやすいです。

種が手に入らない場合は挿し木する方法もありますが、どちらも太い木を短時間で手に入れるには向いていません。

幹を取り木にかけると木自体は増えませんが、うまくいけば土台も盆栽として育てる事ができます。

取り木は樹勢が良い状態で行うようにしましょう。

取り木する年は、植え替えをしないか、根をほとんど捌かず樹勢の良い状態でやるようにしています。

取り木の時期

春の新芽が吹く前や5月後半か〜梅雨前頃が適期と言われます。

新芽が吹く頃は根がよく成長しますし、梅雨の時期は湿度も高く根も成長しやすいからかなーと思います。

僕は春はまだまだ空気が乾燥していて風が吹くと乾きやすいので、5月中旬にする事が多いです。

取り木の目的

盆栽としては背が高くなり、立ち上がりから一の枝までの距離が長い場合や立ち上がりの幹が細い場合などに取り木をかけて背を低くしたり幹が太くなった部分を立ち上がりにしたりする事ができます。

発根までにかかる時間

樹種によって差はありますが取り木をかけてから、発根まで3ヶ月ぐらいです。

5月の中旬にかければ夏頃には根が見えてくるとお思います。

ポットの間から根が出てきた取り木した欅

切り離しの時期

発根が確認できれば問題ないのかもしれませんが、僕は春の植え替え時期まで待ってから切り離しています。

取り木にかけた欅

実はこの木は立ち上がりのところを活かしたく上を切ってしまおうと思っていたのですが、どうせなら取り木して上も活かそうと思って取り木しましたが、土台の方がこのあと枯れてしまいました、、、

そして、今年もまた欅の取り木に挑戦中です。
今度も親木の方を使おうと思っているのですが、バッツリ切るだけではもったいない。ということで挑戦中なのですが、取り木をかける時期は少し遅かったか。。。

こちらも、また結果をアップします。

取り木の方法

環状剥皮

僕は環状剥皮でしか取り木はやった事がありません。成功率は5割程度です。

これまでに、欅、もみじ、ニレ欅、深山海堂の取り木に挑戦しました。

深山海堂は残念ながら失敗に終わりました。。

春、花が終わった頃に取り木をかけたのですが、花を目一杯楽しんだのと、結実したまま置いておいた状態で取り木したので木の負担が大きすぎたのかもしれません。

今年は真柏に挑戦中です。これがうまくいけば立ち上がりか太い良いきになるはず!

環状剥皮の手順

まずは皮を剥いた後に土や水苔を入れるものを用意しておきます。
水苔の場合はサランラップで良いと思います。

土の場合はビニールポット、鉢底に引くネットなど土が入れられるものならなんでも良いかと思います。

あとは霧吹きを用意しておきます。霧吹きがなければ水を貯めておける何かがあれば良いかと思います。

次に皮を剥がす部分に切り込みを入れていきます。

幹や枝が細い場合は剪定鋏で挟んでくるっと回せば切り込みを入れる事ができますが、しっかり切り込みが入るようにします。

環状剥皮した真柏

皮は意外とスルッと剥けます。

くれぐれも切り落としてしまわないようw
幹が太い場合は切り込みナイフを使っています。

切り込みを入れたら幹の外側をやっとこで挟んでやると皮が剥けます。意外とスルッと向けてなかなか気持ちがいいですw

綺麗に一周皮が剥けたら芯の部分をナイフで削ってやりますが、接木同様に長時間の乾きは禁物だと思っているのでここで一旦霧吹きで保水します。

芯は思い切って削っておくほうが良いです。削りが甘いと水が吸い上げられるのか、上部が生きたまま発根しなかったりします。

削ってる間も乾きそうなら霧吹きで保水します。

これで一件落着。あとはたっぷり水をかけておきます。

僕は取り木して最低2週間ぐらいは保湿できるようビニール袋に鉢を入れたりホームセンターで買ったなんと呼んで良いのかわかりませんが、プラスチックのフードをかけています。

水苔と土

皮を剥いた幹の周りに水苔を巻きその上からビニールを巻く方法と水苔の代わりに赤玉土を使う方法があります。

僕は赤玉を使うのが自分に合っています。水苔の場合はビニールの上部の縛りをゆるくしておいてそこから水が入るようにしていました。

なぜ赤玉土を使う方法に変えたか

挿し木に近いイメージなので、水やりの管理がしやすい。(土の渇き度合いが普段と同じなので水やりのタイミングが分かり易い)
水苔の場合は水をあげるタイミングがよくわかりませんでした。

赤玉を使う場合はビニールポットや鉢底に引くネットを使うので上部は開けっぱなしですので水も盆栽に水をあげる要領であげています。

そして成功率が水苔よりいいからです。(水苔で紹介されている場合も多いので、これは単に僕のの管理やたまたまの可能性が高いです)
単に自分に合ったスタイルが赤玉土を使う方法だと言うだけの理由です。

針金結束

発根させたいしたあたりに針金を巻き、きつく縛る事で水や養分を断ち発根させる方法です。

針金で縛った上あたりが膨らんできて発根するそうですが、環状剥皮に比べると発根に時間がかるようです。

幹の皮を突き破って発根する必要があるのでなんとなく時間がかかるのは頷けますね。

僕は椿で初めて針金結束に挑戦中です。

取り木のコツ

挿し木や接木と同様にある程度湿度を保ってあげるのが取り木のコツかなと思います。

あとは皮をめくったところと幹の境目あたりにルートンを付けておきます。

特に最初の2週間ぐらいはビニールなどで保湿するようにしています。

取り木は枯れてしまうリスクはあるものの、成功すれば盆栽が一気にカッコよくする事ができます。

初めはホームセンターなどで買ってきた値段もお手頃なものからトライするのがお勧めです。

いろいろ本を読んだりして挑戦しましたが最初の3本失敗しました。

もちろんそのあとも100%の成功率ではありません。

少しでも成功率が上がって素敵な盆栽ができると良いですね。

樹種別の取り木記事

欅(けやき)の取り木

椿の取り木

真柏の取り木

南京ハゼの取り木

楓の取り木

他の方法での盆栽の増やし方

実生での盆栽の増やし方はこちらの記事で紹介しています。

挿し木での盆栽の増やし方はこちらの記事で紹介しています。

ではまた。

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