【初心者向け】桂(カツラ)盆栽の育て方|ハート型の葉と紅葉が魅力の癒し系盆栽

桂(カツラ)

今回は、ハート型の可愛らしい葉っぱと、秋の紅葉が目を引く「桂(カツラ)」の盆栽をご紹介します。

カツラは大木として公園などにも植えられていますが、盆栽に仕立てるとその魅力がギュッと凝縮されて、春夏秋冬すべての季節を楽しめる樹種になります。特に秋の紅葉と、落ち葉から漂う甘い香りは他の盆栽ではなかなか味わえません。

でも、大木で節間が長く盆栽にするには少し難しいなと感じる樹種です。

僕は桂を7年ぐらいは育てていると思いますが、上手く作れていません。最近ようやく作り方がわかってきたような気がします。

この記事では、初心者の方向けにカツラの盆栽を育てられるように、基本情報から育て方、季節ごとの管理、トラブル対策まで紹介します。

「紅葉を楽しめる盆栽が欲しい」「癒し系の植物を育てたい」という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

※ 棚場の環境や鉢の大きさなどによっても、管理方法は変わりますのでしっかり盆栽を観察しながら調整してください。このブログでは3〜4号鉢の小品盆栽を想定しています。

基本情報

  • 学名Cercidiphyllum japonicum
  • 分類:カツラ科・カツラ属
  • 特徴と見どころ:丸くてハート型の葉、秋の紅葉、落ち葉の甘い香りが魅力
  • 開花・紅葉の時期
    • 開花:4月ごろ(目立たない)
    • 紅葉:10月下旬〜11月上旬

盆栽を育てる前の準備

必要な道具と資材

  • 盆栽鉢(3号前後)
  • 赤玉土・桐生砂(基本配合:7:3)
  • 剪定ばさみ、ピンセット
  • 針金(若木の整枝に)
  • 霧吹き・ジョウロ
  • 固形肥料(油かす、バイオゴールドなど)

苗木の選び方

カツラは生育が早めなので、ある程度幹がしっかりしていて根元が安定している苗がおすすめ。葉が元気でツヤがあり、枝が混みすぎていない個体を選びましょう。

盆栽の育て方

置き場所(日当たり・風通し)

春〜秋は屋外でしっかり日光に当てることで、健康な葉と紅葉が楽しめます。夏は直射日光が強すぎると葉が焼けるので、半日陰か寒冷紗で遮光を。風通しの良い場所に置くと病害虫も防げます。

水やりの方法と頻度

カツラは水が大好きな樹種です。乾燥が苦手なので、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えるのが基本。夏は朝晩の2〜3回、春秋は1日2回を目安に。冬は落葉している間は控えめでOK。

肥料の与え方

  • 時期:4〜6月、9〜10月
  • 種類:固形の肥料(バイオゴールドなど)
  • 頻度:月1〜2回置き肥。液肥を使う場合は4週間に1回程度

※夏と冬は肥料を与えないようにしましょう(肥料焼けの原因に)

土選び・植え替え

  • 用土配合:赤玉土(中粒)7:桐生砂3
  • 植え替え頻度:2年に1回程度(水やりの時に鉢になかなか水が入っていかなくなってきたら)
  • 時期:3月中旬〜4月上旬の芽吹き前
  • 手順
    1. 鉢から抜いて古い土を半分ほど落とす
    2. 黒ずんだ根や太い根をカット
    3. 新しい土で植え直し、水をたっぷり与える
    4. 1週間ほど明るい日陰で養生

剪定のやり方と時期

  • 時期:真夏、真冬以外
  • 方法
    • 混み合った枝、内向きの枝をカット
    • 太い枝は鋏の刃元でしっかり切る

桂は枝がすぐ長くなるので僕はこまめにカットしています。

夏場の軽い剪定は形の調整にとどめましょう。

針金掛け・整枝の方法

若木のうちに針金を使って枝の流れを整えると、自然な樹形に育ちます。針金は1ヶ月以内に外し、食い込みに注意してください。

季節ごとの管理方法(詳しく解説)

春(3〜5月)

  • 芽吹きスタート!剪定や植え替えはこの時期に完了しておく。
  • 日差しが強くなり始めるので、置き場所に注意(急な直射日光はNG)。
  • 4月から肥料を開始。
  • 新芽の成長に合わせて、支柱や針金で枝の誘導をします。
  • 桂は水が大好きです。春の水切れにも要注意です。

夏(6〜8月)

  • 水切れ要注意!朝夕の2回はしっかり水をあげます。
  • 日差しが強すぎる場合は半日陰や寒冷紗で葉焼け、水切れ防止。
  • 葉の裏にアブラムシが付きやすい時期なので、こまめにチェック。
  • 肥料は7月中旬〜9月中旬までお休み(暑さで根が弱りやすい)。

秋(9〜11月)

  • 紅葉シーズン!日光にしっかり当てて紅葉を促す。
  • 肥料は9月中旬から再開、紅葉前までに葉をしっかり育てておく。
  • 落葉が始まったら、こまめに掃除。湿気をためないように注意。
  • この時期の管理が、翌年の芽吹きに大きく影響します。

冬(12〜2月)

  • 落葉期で休眠状態。寒風や霜から守るため、軒下や簡易温室がおすすめ。
  • 水やりは2日に1回程度。乾燥しすぎないように注意。

桂盆栽の増やし方

挿し木

春に新芽が伸びた柔らかい枝を使って挿し木が可能です。成功率はそれなりにあるので、チャレンジする価値ありです。

取り木

根元から上げたい場合は、5月頃に取り木が使えます。時間はかかりますが、太い幹を得られるので、形づくりには良い方法です。

実生

タネから育てることもできますが、かなり時間がかかります。気長に育てたい方向け。

よくあるトラブルと対処法(詳しく解説)

症状主な原因対処法・予防策
葉がしおれる水切れ・根詰まり朝晩の水やりを徹底。植え替え時期なら根を確認して対応
葉先が茶色くなる日焼け・乾燥夏は半日陰へ移動。こまめな水やりと葉水
葉が黄変して早く落ちる栄養不足・根のダメージ春秋の追肥と、根の状態チェック。植え替えが必要な場合も
紅葉しない日照不足・肥料不足秋は日当たりの良い場所へ。夏に葉を傷めないようにすることが前提
アブラムシ・ハダニの発生風通しの悪さ・高温多湿風通しの確保。初期なら手で駆除、ひどい場合は園芸用殺虫剤で対処

まとめ

カツラの盆栽は、ハート型の葉・秋の紅葉・落ち葉の香りという三拍子そろった癒しの存在です。水やりと日当たりに注意すれば、初心者でも安心して育てられます。樹形作りは難しいですが。

1年を通して四季を感じられるので、「生活に自然を取り入れたい」「癒されたい」という方にはぴったりの樹種。

ぜひ、あなただけの桂の盆栽を育ててみてください!

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