今回は活力剤について、紹介します。盆栽を始めた頃は肥料とどう違うのか、活力剤にはどんな物があるのかよく分かっていませんでしたので、調べて分かったことや実際に使っている活力剤などを紹介します。
盆栽特有の栄養環境と活力剤の重要性
まず知っておきたいのが、盆栽はとっても限られたスペースで育てられているということです。普通の庭木みたいに根っこを自由に張れないから、土から吸える栄養も当然限られてしまいます。だからこそ、肥料や活力剤が必要になります。
特に植え替えた後や、季節の変わり目、ちょっと元気がないな〜ってときには、活力剤が大活躍します。植物のストレスを和らげて、また元気にしてくれます。
活力剤と肥料の区別
ここでよくある疑問、「肥料と活力剤って何が違うの?」って話。ざっくり言うと、肥料は“ごはん”、活力剤は“栄養ドリンク”みたいなものです。肥料は植物が育つために必要な栄養そのものを与えるものですが、活力剤はその栄養の吸収を助けたり、植物の調子を整えたりするものです。
だから、どっちも大事!でも使い方を間違えると、せっかくの盆栽がダメージを受けちゃうこともあるので、それぞれの役割をしっかり理解しておくことが重要なんです。
盆栽用活力剤と成分
市場にはいろんな活力剤が出ていて、どれを選べばいいか迷っちゃいますよね。ここでは、僕が使ったことがある活力剤それぞれの特徴や成分をざっくり紹介していきます!盆栽愛好家の間でも人気の高い代表的な活力剤だと思います。
リキダス:総合的活力剤の代表格
リキダスは「何にでも効く」って感じの万能タイプの活力剤。カルシウムやマグネシウムなどの微量要素を含んでいて、特に根の張りを良くしたり、土壌のバランスを整えたりするのが得意。盆栽に限らず、いろんな植物に使えるので、園芸全般を楽しんでる人にもおすすめです。
メネデール:鉄イオン活力剤の定番
こちらもど定番と言っていいほど愛好家の間で有名なやつです。主成分は二価鉄イオンで、これが植物の光合成をググッと助けてくれます。植え替え後のストレス軽減や、根の活性化にも効果あり。
挿し木の際に挿し穂をつけておくのにも使用します。発根率が良くなるとのことですが、メネデールなしでも発根するので、僕は毎回は使っていません。
HB-101:高価格帯の本格的活力剤
こちらも定番の活力剤、HB-101。スギやヒノキ、マツなどの天然植物成分がベースで、いわゆる“自然派”志向の人にピッタリ。
特に盆栽のような繊細な植物には、この自然成分がじわじわ効いてくれる感じが魅力です。
HB-101の価格は他の活力剤と比較して高価ですが、1000倍希釈という高い希釈倍率により、実際の使用コストは決して高くありません。1度購入すると長期間使用できますし、コンパクトで収納もしやす重宝しています。
バイオゴールドバイタル:有機由来の高機能活力剤
有機成分ベースで、かつ微生物の働きを活かして植物の健康を底上げしてくれるバイオゴールドバイタル。根っこの健康維持や病気への抵抗力アップに力を発揮してくれるので、こちらも利用しています。
ちょっと値は張りますが、僕は春に置肥をした1週間後ぐらいに与えています。秋にも1度だけ与えています。
目的別の活力剤の選び方
いろんな活力剤がありますが、僕が最初に気になったのは「活力剤は全部同じ効果なのか?」ということです。ここからは僕が活力剤を選ぶ際の目的別に紹介します。
目的に合った活力剤を選ぶことで、より効果的に盆栽の健康をサポートできます。
成長促進 or ストレス緩和
まず大きく分けると、「ぐんぐん成長させたい!」ってときには成長促進型、「ちょっと弱ってるから回復させたい…」ってときにはストレス緩和型が向いています。
例えば、春や初夏の成長期にはリキダスやHB-101などの成長をサポートしてくれるタイプが良いと思っています。逆に、植え替え直後や猛暑・寒波のあとなんかには、メネデールのようなストレス緩和に特化した活力剤が頼りになります。
根張り強化
一方で、「とにかくまずはしっかり根を張って元気な木に育てたい」という場合は、リキダスやバイオゴールドバイタルのような根張り強化型がおすすめ。根が元気になると、木が元気になりますね。
開花促進
花物盆栽を育てている方は開花促進系の活力剤も使用すると良いかもしれませんが、僕は使ったことがありません、。花物にはリン酸が多く含まれた肥料を与えています。
挿し木
挿し木の時に挿し穂をメネデールに30分以上つけておくと発根率が高まるようです。ただしどの程度高まるか僕はそこまでデータを取ったわけではありません。おまじない的な感じで使う時はありますが、毎回ではありません。
この木こそは発根させたい!という時はまずメネデールに挿し穂をつけて土に挿す前にルートンを使用しています。
樹種別の活力剤使用
盆栽と一口に言っても、その種類はほんとにいろいろ。松柏類、実物・花物、雑木類と、それぞれ特徴も育て方も違うのですが、僕の場合はどの樹種もほぼ同じ与え方をしています。樹種別に使い分けるというよりは目的別に使い分けることが多いです。とは言え基本はローテーションで使っています。
活力剤の使用方法とタイミング
ここでは、活力剤の希釈のしかたから使う季節、ローテーションまで、実践的なポイントを紹介します。
希釈倍率と施用方法
まずは希釈。多くの活力剤は「水で薄めて使うタイプ」が主流です。ここで大事なのが、ラベルに書いてある希釈倍率を守ることです。
肥料もそうですが、多く与えれば良いという物でもないと思います。ただ肥料のように与えすぎたら木が弱ることは少ない気がしています。とは言え希釈倍率は規定量を守るのが基本です。
使い方は、水やりのときに活力剤を加えた水を与えるのが基本。葉面散布できるタイプなら、霧吹きで葉っぱに吹きかけてもOKです!
季節と成長段階に応じた使用
盆栽の一年のリズムに合わせて活力剤を使うと、効果はさらにアップします。
- 春(芽吹き前〜成長初期):リキダスやHB-101、バイオゴールドバイタルでスタートダッシュ!
- 夏(成長後期〜ストレス多め):メネデールで体力維持。
- 秋(根の活動期):根張りを助けるリキダスやバイオゴールドバイタル、晩秋にはメネデール。
- 冬(休眠期):基本は使用を控えて、植物を休ませましょう。
活力剤のローテーション
活力剤によって含有している成分が異なるので春は基本的にローテーションで与えています。
夏に関しては僕はメネデールだけ、秋になったらまたローテーションといった感じです。
活力剤使用時の注意点
過剰施用のリスクと予防策
希釈倍率を無視して濃いめに使うのは避けましょう。肥料ほどではないと思いますが、根がダメージを受けたり、葉が焼けたりすることもあります。
さらに、毎回の水やりに活力剤を与えるのも避けましょう。たまには「何も混ぜない普通の水」で鉢の中をリセットする日も必要です。目安としては、週1〜2回の使用がちょうどいいバランスだと思います。
また、複数の活力剤を同時に混ぜるのもやめておきましょう。化学反応を起こして効果が落ちるか、最悪の場合は害になることも…あるかもしれません。
効果の確認方法
「この活力剤、ちゃんと効いてるのかな?」って気になりますよね。そんなときは、以下のようなポイントをチェックしてみましょう。
- 葉の色やツヤが良くなったか:健康な盆栽は、葉がいきいきしてきます。
- 新芽の出方や伸び具合:成長促進効果が出ていれば、新しい芽が活発に出てくるはず。
- 根の様子(植え替え時など):元気な根は白っぽくて張りがあり、土をしっかりつかんでいます。
- 病害虫への耐性:活力剤の効果で樹勢が高まると、病気にかかりにくくなることもあります。
活力剤については正直、劇的な効果があるかと言われると、そこまで劇的な効果を感じたことはありません。葉の色やツヤがよくなったなと感じる時はありますが、肥料の効果なのか活力剤の効果もあるのかわかりませんが、肥料をうまく吸収するためにも必要な成分が含まれていたりするので僕はずっと使っています。
結論
盆栽の育成って、ただ水をあげて日向に置いておくだけでは土の中の養分が少ないので長期間元気には育ちません。肥料や活力剤をうまく使って、木が本来持っている力を引き出してあげましょう。
今回紹介したように、活力剤にはそれぞれ特性があって、使う目的やタイミングによって選び方も変わります。成長を促したいとき、元気がないとき、開花を目指すとき…目的に合った活力剤を選んでください。🌿✨