盆栽初心者の味方!盆栽用ビニール温室の選び方と使い方 〜挿木や取り木の後の保護にも〜

取り木

盆栽用ビニール温室の概要

冬に盆栽を育てるときに、松柏類などに針金を掛けたり、寒さに弱い樹種を育てると、枝が枯れたり、樹木自体が弱ってしまうことがあります。また、植え替えをした後に急に寒さが戻ると、植え替えたばかりの盆栽が枯れてしまうこともあります。僕自身もこれらの経験から、ビニール温室を試してみることに決めました。ビニール温室を使うことで期待できる効果や、選んだ際のポイントについて紹介します。

以前は簡易的な植物用のビニールドームを使っていましたが、サイズ的に大き物が入らないのと、風が強い日に飛んでしまうので卒業しました。ピンなどを打って飛ばないよう固定もでいますが、水やりの旅に外すのも少し手間だったのでビニール温室の方が僕には向いていると思います。

設置などが不要なので簡易的に使ったり、種まき後早く発芽を促すにはこちらで良いかなと思いますが、風で飛んで行くことはよくあります。

盆栽用ビニール温室とは

そもそも盆栽用ビニール温室とは、ビニールシートで覆われた小さな温室のことです。
簡単にいうと農作物に利用するビニールハウスの小さい版です。

普段は屋外に置いている盆栽を、温室内のような環境で保つことができます。

温室内は太陽の光で温められた空気を逃さず、温かく保ってくれますので、冬季でも盆栽が必要とする温度や湿度を比較的維持することができます。

その他にも、ビニール温室は外部からの害虫や風雨から盆栽を守ることもできます。初心者でも手軽に利用でき、盆栽の成長を助けることができる便利なアイテムです。

ビニール温室を盆栽で利用するメリット

ビニール温室のメリットにはいくつかあります。まず、ビニール温室を使用することで、盆栽を外部からの風や風雪から保護できるということです。盆栽を寒さや乾燥から樹木を守りつつ成長を促すことができます。

さらに、ビニール温室は湿度を保つ効果があります。植物が必要とする適度な湿度を維持できるため、取り木や挿し木をしてビニール温室に入れるのが効果的じゃないかと思っています。

毎年、挿木や取り木をしていますが、春先は空気が乾燥して風が吹くと一気に土が乾いてしまうのと、木は根っこだけでなく、葉からも水を吸収しているので、春の乾燥した空気の風は挿木や取り木には大敵だと思っています。

経験からですが、植え替えをして根っこが少なくなった盆栽にも葉から水分を吸収することは新しい根の育成にも重要なんじゃないかと思っています。

前置きが長くなりましたがビニール温室は盆栽を育てる上で重要な湿度管理が容易になるというメリットがあります。

最後に、ビニール温室は比較的手軽に導入できるという点も大きなメリットです。機械操作や薬剤のような特別な知識や技術が必要なく、簡単に自分で設置することができます。そのため、初心者でも手軽に導入して、盆栽の育成に役立てることができると思います。

盆栽用ビニール温室の選び方

サイズの選び方

盆栽が置けるスペースや盆栽自体の大きさを考慮して選びました。

僕は地上に置くこともあり後ろにブロック塀があるので風で倒れる心配もあまりないことから4段のものを選択しました。サイズで言うと高さは160cmぐらいで横は100cmぐらいです。

それぞれの段の高さは30cm(一番上は少し余裕あり)ぐらいです。

小品盆栽とミニ盆栽がほとんどなので、このサイズで問題ありません。

中品盆栽や貴風盆栽の30cmぐらいの盆栽がメインの方は別の者の方が良いかもしれません。

靴箱のように間の段を抜かしたりすることができない(骨組みのパイプが残ります。これを外すと強度に問題が出ると思います)ので別のものの方が良いかと思います。

以前はベランダで盆栽をしていたのですが、今のサイズだとベランダに置くには手すりの高さより高くなるのは危険なので2段か3段にしていたと思います。

価格

アイアンラックや木のラックを購入してビニール温室を作ると言う方法も検討しましたが、物によりますがラックだけで一万円以上したりしますし、強度や耐久性を求めるならこうした方法もありだと思います。

そして湿度が高くなるので木は選択肢から外しました。湿度が高いとキノコが生えて木がスカスカに腐って耐久面であまりよろしくないと考えました。

まずは試してみたかったので僕はセットになっているものを購入しました。

サイズ感にもよりますが、5,000円前後で購入できます。

盆栽用ビニール温室の使い方

設置方法と注意点

ビニール温室を設置する場所は、直射日光が長時間当たる場所や強風が吹く場所は避けて、日当たりのよい場所に設置するようにしました。

ベランダのような場所では、手すりの高さを超えないように注意したり、ビニール温室の骨組みをどこかに縛り付けて固定しておくと良いかもしれません。

地上に置く際も固定できればより安心です。うちは背面と片方の側面が壁に面していて風で飛ばされる心配はあまりないので今のところ固定はしていませんが、地震などのリスクも考えると固定しておこうと思います。

ビニール温室の側面
片側は側面も塀があります

温度と湿度の管理方法

ビニール温室の中で盆栽を管理する場合、温度と湿度の管理が重要です。温室内の温度は、盆栽によって異なりますが、一般的には15度~25度が適温です。湿度は50%~70%程度が理想的で、植物が乾燥しないように注意が必要です。挿木や取り木素材の保護の場合湿度は高めが良いと考えています。

調整方法は至ってシンプルで全面のカバーを解放する量の調整でやっています。

チャックを開けているだけでも風が吹けばカバーがひらひら揺れて中に風が取り込めています。

全面を解放して湿度と温度を調整
全面を解放して湿度と温度を調整

温度や湿度が上がりすぎの場合は側面を全面解放しています。
今の時期(2月後半)昼間は解放して、夜は閉じていることが多いです。

カバーを下ろしたビニール温室
寒くて風のある日はカバーしています。夜はチャックも閉めています。

場所や年によって気温は異なるので、そこは適宜調整が必要だと思います。

盆栽用ビニール温室のメンテナンス

特にメンテナンスは行っていません、精密な機会でもないですし、特にメンテナンスする必要はないかなと思っています。

修理や交換の方法

修理や交換は今のところ行っていませんが、ビニールのカバーは交換用が販売されているので日光で痛んで穴が空いてしまったりしたらカバーだけ交換しようと思います。

カバー自体は上から被せて、骨組みに紐で括るだけなのでとても簡単に行うことができます。

盆栽用ビニール温室の注意点と問題点

安全性への配慮

ビニール温室を使う際には、安全面には十分配慮したいところです。安全性の一番配慮すべき点はやはり転倒などだと思います。ビニール温室は風に弱いため、強風が吹く場所に設置することは避けるようにしました。

あとは地震の際にも倒れてしまう可能性があるので、どこかに固定できるところを探して固定したいと思います。

うちの場合は最悪転倒しても、落下して誰かに当たってしまったりするリスクはありません。

盆栽用ビニール温室のおすすめ商品の紹介

僕が購入したビニール温室は下記の4段のものです。
組み立てやすさなど実際に購入した感想を紹介しておきます。

マンションなどでは3段以下がいいかもしれないですね。

組み立てやすさ

使ってみた感想は、組み立てもとても簡単です。

商品寸法 (長さx幅x高さ) は102 x 49 x 160 cm 、重量 6.5kg ですが、自分一人で全く問題なく組み立てることができました。

組み立てにかかる時間

きっちり測っていたわけではありませんが、箱から取り出して枠組みを組み立てるのに10分、カバーをかけて紐で骨組みにつけて、置き場所を調整するのに5分、合計15分ぐらいあれば十分組み立てられると思います。実際はもう少し短かったかもしれません。そのぐらい簡単でした。

使い勝手

全面のカバーがチャックで開け閉めできて、解放時は紐で固定して置くことができます。
温度や湿度管理はこのカバーを開け閉めして調整しますが、非常に簡単にできます。

そこ網の目が少し荒いのが気になります。ミニ盆栽や2.5号ぐらいまでの小さな鉢を置くには少し不安定です。僕は小さい鉢用には網の上にトレイを引いています。それで全く問題ないと感じています。

まとめ

今回はビニール温室を購入して、重宝しているので紹介してみました。

温室として利用するのは春までかなーと考えていますが、夏には遮光して日に弱い樹種を置いて管理したり雨が続く時期に五葉松など雨に当てたくない木を置いたりできるんじゃないかなと考えています。

しばらく使ってみてまた、使用した感想を紹介します。

タイトルとURLをコピーしました