盆栽の肥料|IBワンス

盆栽の肥料

IBワンスは近年、盆栽愛好家の間で人気を集めている緩効性化成肥料です。この肥料の特徴、使用方法、メリットについて紹介します。

IBワンスの基本情報と特性

IBワンス(IBワンス4号)は、ジェイカムアグリ株式会社が製造する緩効性化成肥料です。最大の特徴は、その長期間持続する肥効期間にあります。一般的な肥料と比較して、施肥の頻度を大幅に減らすことができるため、盆栽管理の手間を軽減できます。

成分と形状の特徴

IBワンスの主な成分構成は窒素(N)-リン酸(P)-カリウム(K)が12-6-6となっています。特筆すべきは窒素成分の全てが緩効性のIB窒素(イソブチルデンジウレア)であることで、長期間の肥効を実現しています。

成分としては窒素が多めで、葉の育成には良いと思います。僕は花物と実物には追加でプロミック(花・草、鉢花用)を使うようにしています。

形状は小型の豆炭状で、サイズは約3cmと扱いやすい中粒タイプです。15kg入りの業務用パッケージでは約2,000個(約7.5g/個)が入っていますが、一般の盆栽愛好家向けには500g、2kgなどの小分けパッケージも販売されています。

色は濃い茶褐色で、硬質な質感を持っているため、崩れにくく長期間形状を維持します。なので、鉢に置いても、べちゃべちゃに溶けて土を汚さず、盆栽の見た目を損なわない点も良い点です。

僕は2kgを使っています。

肥効の特性

IBワンスの最大の特徴は、その緩効性にあります。肥料の効果が約8ヶ月〜1年という長期間持続するため、頻繁な施肥作業が不要になります。

  1. IB窒素による緩効性:全窒素がIB窒素で、徐々に分解されて植物に吸収されます
  2. 利用率の高いリン酸肥料(リンスター30)の使用
  3. 緩効性加里肥料(けい酸加里)の配合

この組み合わせにより、盆栽に必要な養分をバランスよく長期間供給することができます。

盆栽におけるIBワンスの活用法

IBワンスは盆栽用肥料として多くの愛好家さんに支持されています。その使用方法と効果的な活用法について解説します。

基本的な使用方法

IBワンスの基本的な使用方法は非常にシンプルです。盆栽の鉢の大きさに応じて適量を土の表面に置くだけです。一般的な目安としては以下の通りです。

  • 4号鉢(直径約12cm):2粒
  • ミニ盆栽や小さな盆栽:粒を半分に切って使用
  • 花木類・幼木:1本に対し3粒程度

置き方については、盆栽の幹から少し離れた位置に均等に配置するのが基本です。根に直接触れないように注意しましょう。

施肥の時期と方法

IBワンスは長期間効果が持続するため、年間の施肥回数を大幅に減らすことができます。

  • 春(3〜4月):生育期に入る前に施肥すると、その年の成長期全体をカバーできます
  • 秋(9〜10月):冬に備えた養分蓄積のために施肥する場合もあります

梅雨の時期に有機肥料が溶けて土がベチャベチャになってしまう問題がIBワンスだと気にしなくても大丈夫です。

便利な使用方法

  1. 半分に切る方法:ミニ盆栽など小さな鉢には、ペンチなどでIBワンスを半分に切って使用することができます。
  2. 埋め込み施肥:表面に置くだけでなく、軽く土に埋め込むことで、より安定した肥効が得られます。鉢の受けに置くだけでは持ち上げて鑑賞する際などにコロコロ鉢から落ちてしまうので、軽く埋め込むと良いのですが、根を傷つけないよう注意が必要です。

なぜIBワンスが選ばれるのか

長期間持続する肥効

最大のメリットは何と言っても8ヶ月〜1年という長期間持続する肥効です。これにより、頻繁な施肥作業が不要になり、盆栽管理の手間を大幅に軽減できます。特に多数の盆栽を管理している場合は、この点は非常に魅力的です。

臭いが少なく清潔

IBワンスは化成肥料であるため、有機肥料と比較して臭いが少ないという利点があります。これは住宅地やベランダなど、臭いが問題になる環境での使用に適しています。

梅雨時期の安定性

日本の高湿度な梅雨時期に課題となるのが、有機肥料の溶解・流出です。IBワンスは硬質な形状を長期間維持するため、梅雨時期でも安定した効果を発揮します。バイオゴールドは良いのですが、どうしても梅雨の時期にずっと水にぬれているとベチャッとなりがちなので、僕も梅雨期にはIBワンスだけを使っています。

コストパフォーマンスの良さ

長期間効果が持続するため、総合的なコストパフォーマンスも良いです。一度の施肥で長期間効果が続くため、肥料の総使用量を抑えることができます。

虫が付きにくい

有機肥料と比較して虫が寄りにくいという特性もあります。これは、特に室内や住宅地で盆栽を育てる場合に重要なメリットとなります。

様々な盆栽樹種とIBワンスの相性、肥料の組み合わせと使い分け

IBワンスは多くの盆栽樹種に適していますが、僕は実物や花物の盆栽には追加でリン酸が多い肥料を使用しています。

春や秋にはバイオゴールド、超発酵油かすおまかせもローテーションで使っています。

購入方法と価格

IBワンスは主に以下の形で販売されています:

  1. 業務用の大容量パッケージ:15kg入り紙袋
  2. 家庭用の小分けパッケージ:500g、2kgなど

100〜200鉢ぐらいであれば、2kgのパックが最適だと思います。15kgだと多くて数年は持ちますが、保管するスペースが必要になるので僕は2kgを気に入って使っています。1回の購入で2袋ぐらい購入して一年間はそれで持つ感じです。

価格例としては、2kgで2,000円+送料といった販売例が確認できます。ホームセンターでは見つけにくく、ネット通販で購入するケースが多いようです。楽天市場やYahoo!ショッピングなどのECサイトで入手可能です。

保存方法と使用期限

IBワンスは化成肥料であるため、以下のような保存方法が適切です。

  1. 湿気を避け、乾燥した場所で保管する
  2. 直射日光を避ける
  3. 子供やペットの手の届かない場所に保管する

成分の特性上、適切に保存すれば長期間品質を維持できます。

まとめ

IBワンスは、その長期間持続する肥効、取り扱いやすさ、コストパフォーマンスの良さから、盆栽愛好家にとって価値の高い肥料です。特に、頻繁な施肥作業を減らしたい方や、梅雨時期の肥料管理に課題を感じている方に適しています。

盆栽の管理において、適切な肥料選びは樹の健康と美しさを保つ重要な要素です。IBワンスは現代の盆栽愛好家のライフスタイルに合わせた、効率的で効果的な選択肢といえるでしょう。

IBワンスを取り入れることで、より簡単に、そしてより効果的に盆栽を育てることができるようになります。季節や樹種に合わせた使い方を工夫し、あなたの盆栽コレクションの健康な成長にお役立てください。

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