盆栽を叩くとは、胴(幹)を切り戻すことを言います。
うまく行けば盆栽の価値を上げることができる作業の一つだと思います。
今回は盆栽を叩く理由や実際に叩いた盆栽を紹介しま〜す。
なぜ、叩くのか
枝が無いところまで切り戻す場合もありますし、一の枝となるような枝を残して切り詰めたりいろいろですが、枝もないところまで切り戻すのは枯れてしまうリスクもそれなりにあります。
ではなぜそんな事するのかというと、そのままにしておいても盆栽としての価値があまりない木(価値があるかないかは人それぞれなので、自分が気に入ってれば無茶をする必要はもちろんありません)、例えば一の枝まで距離がありすぎる、上から下まで同じ太さで苔順がよくないなどの理由からです。
苔順って言葉も盆栽を始めたてだと何のことやらですよね。
苔順とは、盆栽が根本から上の方に向かってだんだん細くなること。
筍のように上部に行くにつれ細くなって大木感がでますよね。
鉢の中で何もせずずっと育てていてもあんなふうにはならないんですね。
なので、切り戻してだんだん細くなるように作るんですね。
ただし、叩くということは、徒長させて手早く太らせて切り戻す場合が多いので、かなり大きめの傷が残ることが多いです。それがデメリットですが、若い木なら傷の巻も(回復)比較的早いかなと思います。
姫サルスベリを叩いてみた
樹形がいまいちだった姫サルスベリ。そのまま持っていてもなかなか良い木になるイメージができなかったので思い切って叩いてみました。
芽がゼロまで叩いたので芽吹くか心配でしたが芽吹いてくれました。
芽吹いてある程度伸びてきたら柔らかいうちに針金をかけて曲げを入れておきました。
そして、8月の終わり。叩いたその年に花を咲かせてくれました。
早くいい気になっておくれ〜。
叩かざるを得なくなったいちじく
盆栽になっている実に惹かれて購入したいちじくの苗木。おそらく、2年目だと思いますが、立ち上がりがまっすぐだったので、思い切って曲げたらパッキっと言ってしまいました。
泣く泣く叩いて、温室にいれ、毎日祈りを捧げました。
木や樹勢によっては芽がないところまで叩くと、そのまま枯れてしまいます。
このいちじくは芽吹いてくれるのか。。。
よ〜し!なんか出てきたと思ったら、、、
芽じゃなくて、根!でした。
その後ちゃんと芽も吹いてくれました。
しばらく伸ばして、今度はまだ柔らかい間に針金をかけて曲げておきました〜。
将来が楽しみ。早く実がならないかな〜。
南京ハゼ
実生を大鉢で育てたあと、叩いた南京ハゼです。
今年も徒長させましたが針金を巻いて曲げつけておきます。
これでもう少し太ったらまた切り戻しま〜す。
叩くと見られる木になるまでまた少し時間がかかりますが、そのままにしていても盆栽として価値がでない木は思い切って叩いて作り直すのもいいですね。
といっても叩いてこれはめちゃくちゃ良いぞ!というところまで来てる盆栽はまだありませんwww
本当は叩かずにその木がもっている良さを引き出しつつうまく盆栽にしてあげるのがいいのでしょうけど。まだまだ修行が足りん。。