盆栽を増やす方法として、今回は挿し木の紹介です。
以前に実生で盆栽を増やす方法をご紹介しましたが、今回は挿し木で盆栽を増やす方法をご紹介します。
挿し木については新しく記事を書いていますのでこちらも是非ご覧ください。
挿し木とは
挿し木とは、盆栽を増やす方法の一つですが、枝などを切って土に挿すことで切り口から発根して新しい盆栽として育てる方法です。
挿し木のメリットは親木の性質を受け継いだまま数を増やせるという点です。
実生の場合は同じ性質になるとは限りません。
樹種などにもよりますが、僕の場合は成功率60%ぐらいでしょうか。
これまでに成功したのは
- 真柏
- もみじ
- 欅(ケヤキ)
- ニレ欅(ケヤキ)
- アカシデ
- 桑
- 桂
- 梔子(クチナシ)
- 紫式部
- 真弓
- コデマリ
と言ったところでしょうか。
写真は真柏の挿し木です。
挿し木の時期
僕はあまり時期は気にしていません。
発根しやすい温度で湿度もある梅雨ぐらいが理想なのかもしれません。
挿し木の手順
準備
コップなどに水を入れておきます。
できればルートンを用意しておきます。(なくても大丈夫です。)
挿し穂を作る
まずは、挿し穂を作ります。
僕の場合は剪定した枝を挿し穂にしますので、狙って挿し木にしているというよりは選定したついでに「根が出たらいいな」ぐらいの感覚で挿し木しています。
剪定した枝の切り口を切り花のように斜めに切って水が吸える面積を大きくしてあげます。
少し太い枝は切り口を鉛筆のようにしたり、斜めに切るのを両側からします。
挿し穂を水につける
そしてすかさず切り口を水につけます。これが結構大事です。
乾燥してしまわないようにするのがコツです。
そのまま一晩つけます。ずぼらするときは30分ぐらいしかつけない時もありますが、それでも問題ありません。
切り口にルートンをつける
発根促進のためルートンを切り口につけます。つけなくても発根しますのでなくても構いません。
僕の場合はこの木は絶対発根して欲しい!というときは付けてる程度です。
さし床(土)に挿す
あとは、さし床(土)に挿すだけです。
土は目が荒過ぎないものがいいのかなと思います。
僕は乾きを防止するためにわざとこけが貼った鉢に挿すことも多いです。
鉢は駄温鉢でもいいですが、ビニールの黒ポットや湿度を確保できるプラスチックの鉢の方が成功つが高い気がしています。
挿し木にする時期にもよりますが、半年もすれば発根してることがほとんどです。
出猩々もみじの挿し木
発根確認と植え替えはこちらの記事で紹介しています。
発根したら鉢に植える
挿し木は成功率100%ではありませんので、挿し木にするときは何本か挿します。
発根したうち、良さそうな素材を取り分けて鉢に植えれば完成です。
盆栽としてはここから何年もかかりますが、発根すると嬉しくてついつい鉢が増えていってしまいます。。。
挿し木から育てている桑
挿し木から育てている縮緬葛(チリメンカズラ)
挿し木のコツ
湿度
失敗しないためのコツはなんと言っても湿度かなと思っています。
ずっとジメジメでも菌が繁殖して腐ってしまうかもしれませんが、乾燥して水きれになるよりは成功率は高いと思います。
湿度が重要だと思いますので、乾いてしまわないように注意が必要です。
温度
冬にさして成功したこともありますが、やはり根が成長する温度20度前後がいいように思います。
暖かく湿度もある梅雨の頃に挿し木してみましょう。
切り口
挿し穂を作るときに切り口はなるべくよくきれるナイフを使いスパッと綺麗な切り口にします。あとはなるべく切り口の面積が大きくなるようにします。
コデマリの挿し木
真弓の鉢に別の真弓を挿し木しました。
なんかいろいろ挿してます。ボケやアカシデ。
気軽に始められて、無料で盆栽を増やせるのでぜひ挑戦してみてください。
同じ樹種が増え過ぎて置き場に困ったりしますが(笑)